あなたに仕えて何年になるだろうか 私は犬と呼ばれるモノ あなたの手を噛んだこともあった あなたは優しく頭をなでてくれた 毎日あなたの帰りを待っていた 玄関の前でシッポをふって あなたのベッドにもぐり込み 柔らかい温もりの中で夢も見た 私の顔を両手でつかんで 意味もわからず泣き出すあなた そんなあなたの隣には今 優しそうな男が一人 私が感じていた温もりは今 突然現れたその男のもの 小さかったベッドには 私の入り込むスキマもない 私の役目はもう終わった あなたに仕えて何年になるだろうか 私はそっと家を出た 今は冷たい公園で あなたの温もり思い出す 私は幸せだったのだ 私は犬と呼ばれるモノ |
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